訪問鍼灸という選択肢

「通院できない」と諦めないで!自宅で受けられる「訪問鍼灸」という選択肢|メリット・料金・保険適用を徹底解説

 

「腰や膝が痛くて、鍼灸院に通いたいけど、一人で外出するのは難しい…」 「妊娠中や子育て中で、なかなか自分の身体のケアに時間が割けない…」 「寝たきりの家族に、何かしてあげられることはないだろうか…」

このようなお悩みを抱えていませんか?身体のつらさを感じていながら、様々な理由で治療院への通院を諦めてしまっている方は少なくありません。

しかし、そんなあなたにこそ知っていただきたいのが**「訪問鍼灸」**という選択肢です。

この記事では、ご自宅や入居施設で本格的な鍼灸施術が受けられる「訪問鍼灸」について、そのメリットや料金、医療保険の適用、利用するまでの流れなどを分かりやすく徹底解説します。

 

目次

 

  1. そもそも「訪問鍼灸」とは?

  2. 知っておきたい!訪問鍼灸の5つの大きなメリット

  3. 利用する前に確認したい注意点(デメリット)

  4. 気になる料金は?医療保険は使えるの?

  5. 訪問鍼灸を利用するまでの簡単4ステップ

  6. 「訪問マッサージ」との違いは?

  7. まとめ:身体の痛みを諦めず、まずは専門家に相談を

 

1. そもそも「訪問鍼灸」とは?

 

訪問鍼灸とは、国家資格を持った「鍼灸師(しんきゅうし)」が、患者様のご自宅や介護施設、老人ホームなどに直接お伺いして、鍼(はり)や灸(きゅう)の施術を行うサービスです。

「自宅に来てもらうと、施術の質が落ちるのでは?」と心配されるかもしれませんが、ご安心ください。経験豊富な鍼灸師が専用の道具を持参し、治療院と変わらない質の高い施術を提供します。

主に、以下のような方々が利用されています。

  • ご高齢の方: 腰痛、膝の痛み、神経痛などで歩行が困難な方、寝たきりの方

  • お身体が不自由な方: 脳梗塞後遺症による麻痺やリハビリ中の方

  • 妊婦さん・産後のママ: つわりや腰痛、産後の骨盤ケアなどで外出が難しい方

  • 怪我や病気で自宅療養中の方

  • 多忙で通院時間が取れない方

 

2. 知っておきたい!訪問鍼灸の5つの大きなメリット

 

訪問鍼灸には、通院とは異なる多くのメリットがあります。

 

メリット1:通院にかかる心身の負担がゼロ

 

最大のメリットは、通院の必要がないことです。治療院までの交通手段を考えたり、移動したりする必要がありません。交通費の節約になるだけでなく、移動に伴う身体的な負担や、転倒などのリスクもなくなります。雨の日や暑い日でも、天候を気にせず施術を受けられます。

 

メリット2:リラックスできるいつもの環境で施術が受けられる

 

慣れない場所では緊張してしまうという方でも、ご自身のベッドや布団など、最もリラックスできる環境で施術を受けられます。心身ともにリラックスすることで、鍼灸の効果もより高まりやすくなります。

 

メリット3:日常生活に合わせた具体的なアドバイスがもらえる

 

鍼灸師がご自宅の環境(ベッドの高さ、手すりの位置、室内の段差など)を直接見ることで、日常生活における注意点や、ご自身でできるセルフケアについて、より具体的で実践的なアドバイスをもらえます。

 

メリット4:ご家族も安心!コミュニケーションが取りやすい

 

ご家族が施術の様子をそばで見守ることができるため安心です。また、施術者とご家族が直接コミュニケーションを取ることで、ご本人の日頃の様子を伝えたり、介助のアドバイスを受けたりすることもできます。

 

メリット5:条件を満たせば「医療保険」が適用される

 

医師の同意があれば、訪問鍼灸には医療保険が適用されます。これにより、自己負担を大きく抑えて定期的な身体のケアを続けることが可能になります。(詳しくは後述します)

 

3. 利用する前に確認したい注意点(デメリット)

 

メリットの多い訪問鍼灸ですが、いくつか注意点もあります。

  • 施術スペースの確保が必要 ご自宅に伺うため、ベッドや布団の周りで施術者が動ける最低限のスペース(畳1畳分ほど)が必要になります。

  • 別途、往診料(交通費)がかかる場合がある 治療院からの距離に応じて、施術料金とは別に往診料が必要になる場合があります。料金体系は治療院によって異なるため、事前に確認しましょう。

 

4. 気になる料金は?医療保険は使えるの?

 

料金体系は大きく「自費診療」と「保険診療」の2つに分かれます。

 

自費診療の場合

 

症状の改善だけでなく、リラクゼーションや健康維持を目的とした施術です。 料金は治療院によって異なりますが、1回あたり5,000円~10,000円程度が相場です。

 

医療保険が適用される場合

 

訪問鍼灸の大きな特徴は、**医師の「同意書」**があれば医療保険が使えることです。

  • 対象となる主な疾患

    1. 神経痛(坐骨神経痛など)

    2. リウマチ

    3. 腰痛症(ぎっくり腰など)

    4. 五十肩

    5. 頸腕症候群(首・肩・腕の痛みやしびれ)

    6. 頸椎捻挫後遺症(むちうち) その他、医師が鍼灸の必要性を認めた慢性的な痛みを伴う疾患も対象となる場合があります。

  • 料金の目安 医療保険を使うと、自己負担額を大幅に抑えることができます。 例えば、後期高齢者医療保険(1割負担)の方なら、1回あたり300円~500円程度で施術を受けることができます。

  • 保険適用の流れ

    1. まずは訪問鍼灸院に相談します。

    2. 鍼灸院で「同意書」の用紙をもらいます。

    3. かかりつけの医師に同意書を記入してもらいます。

    4. 同意書を鍼灸院に提出し、保険診療での施術がスタートします。

※訪問鍼灸の費用は、医療費控除の対象となります。領収書は必ず保管しておきましょう。

 

5. 訪問鍼灸を利用するまでの簡単4ステップ

 

  1. 治療院を探す インターネットで「お住まいの地域名 + 訪問鍼灸」と検索したり、かかりつけ医やケアマネージャーさんに相談したりして探しましょう。

  2. 問い合わせ・無料相談 気になる治療院が見つかったら、電話やウェブサイトのフォームから問い合わせます。現在の症状や希望を伝え、料金やサービス内容を確認しましょう。多くの治療院では無料体験を実施しています。

  3. (保険適用の場合)医師の同意書を取得 前述の手順で、かかりつけの医師から同意書を取得します。

  4. 訪問日時の決定・施術開始 施術者と相談して、初回の訪問日時を決定します。あとは自宅で待つだけです。

 

6. 「訪問マッサージ」との違いは?

 

訪問サービスには「訪問マッサージ」もありますが、鍼灸とはアプローチが異なります。

  • 訪問鍼灸 目的: 鍼と灸でツボを刺激し、血行を促進。人間が本来持つ自然治癒力を高め、痛みの根本改善や体質改善を目指す。 得意な症状: 神経痛、麻痺、慢性的な痛みなど、幅広い症状に対応。

  • 訪問マッサージ 目的: あん摩マッサージ指圧師が、筋肉の緊張をほぐし、血行を改善する。関節の動きを良くする(関節可動域訓練)ことも行う。 得意な症状: 筋肉のコリや麻痺による関節の固さ(拘縮)の緩和。

どちらも医療保険の適用が可能ですが、症状によってどちらがより適しているかが異なります。迷った場合は、両方に対応している治療院に相談してみるのがおすすめです。

 

7. まとめ:身体の痛みを諦めず、まずは専門家に相談を

 

訪問鍼灸は、年齢や身体の状態、生活環境によって通院が難しい方々にとって、心強い味方となるサービスです。

  • 通院の負担なく、自宅でリラックスして施術が受けられる

  • 日常生活に寄り添ったケアが受けられる

  • 医師の同意があれば、少ない自己負担で継続できる

身体の痛みや不調を「もう年だから」「通えないから」と諦める必要はありません。訪問鍼灸という選択肢があることを知り、ぜひお近くの治療院に相談してみてください。専門家が、あなたのつらい症状に親身に寄り添ってくれるはずです。

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